企業や施設を運営する上で、電気設備の保安管理は欠かせない重要な業務です。特にキュービクルなどの受電設備は施設全体の電力供給を担う心臓部であり、万が一トラブルが発生すれば事業活動全体がストップしてしまう可能性があります。
私たち株式会社電気保安HIKARIは、東海地方を拠点に企業や施設の電気設備を安全かつ効率的に運用するための保守管理サービスを提供している専門企業です。経験豊富な有資格者によるきめ細やかなサポートで、お客様の電気保安を全面的にバックアップしています。
今回の記事では、電気保安管理の基本である「月次点検」と「年次点検」の違いについて、実務経験に基づいて詳しく解説します。さらに、近年注目を集めている「無停電検査システム」の活用方法についても、具体的な事例を交えながらご紹介していきます。
なぜ電気設備の定期点検が必要なのか
電気設備は私たちの目に見えないところで24時間365日働き続けています。しかし、どんなに優れた設備であっても、経年劣化は避けられません。配線の絶縁性能が低下したり、機器の接触不良が発生したり、予期せぬトラブルのリスクは常に潜んでいます。
実際に当社が対応した事例をご紹介しましょう。ある製造業のお客様では、定期点検を怠っていたために遮断器の接点が劣化し、突然の停電が発生してしまいました。幸い大きな事故には至りませんでしたが、生産ラインが数時間停止し、大きな経済的損失となってしまったのです。
このような事態を防ぐために、電気事業法では電気設備の定期点検が義務付けられています。法令遵守はもちろんですが、それ以上に重要なのは、定期点検によって設備の異常を早期に発見し、大きなトラブルを未然に防ぐことができるという点です。
当社の点検サービスでは、単に法令で定められた項目をチェックするだけでなく、長年の現場経験から培った知見を活かして、潜在的なリスクまで発見することを心がけています。お客様の事業特性や設備の使用状況を理解した上で、最適な保安管理をご提案しているのです。
また、定期点検は予防保全としての側面も持っています。小さな異常のうちに対処すれば、修繕費用も最小限で済みます。大規模な故障が発生してから修理するのと比べれば、定期点検のコストは決して高いものではありません。むしろ、長期的に見れば大幅なコスト削減につながるのです。
月次点検とは何をする点検なのか
月次点検は、文字通り毎月1回実施する定期点検です。この点検の最大の特徴は、電気を止めずに実施できるという点にあります。
具体的にどのような作業を行うのか、順を追って説明しましょう。まず、キュービクル内部の目視確認から始まります。扉を開けて内部を観察し、異常な熱による変色がないか、ホコリやサビの状況はどうか、小動物の侵入痕跡はないかなどを丁寧にチェックしていきます。
次に、活線状態での測定作業を行います。電圧計や電流計を使って、各相の電圧バランスや負荷電流を測定します。この数値が正常範囲内にあるかを確認することで、設備が適切に動作しているかを判断できます。また、クランプメーターを使った漏れ電流の測定も重要な項目です。
当社では、最新のサーモグラフィーカメラも活用しています。これは赤外線で温度分布を可視化する装置で、接触不良などによる異常発熱を早期に発見できます。目視では分からない問題も、温度変化として捉えることができるのです。
ある病院での事例をご紹介します。月次点検でサーモグラフィー検査を実施したところ、ブレーカーの端子部分に通常より高い温度反応が見られました。この時点では正常に動作していましたが、このまま放置すれば接触不良が進行し、最悪の場合は発火の危険性もありました。すぐに部品交換を行い、大きなトラブルを未然に防ぐことができたのです。
月次点検では、異音や異臭の確認も欠かせません。変圧器から普段と違う音がしていないか、焦げたような臭いがしないかなど、五感を使った点検も重要です。経験豊富な技術者であれば、わずかな変化から異常の兆候を察知することができます。
さらに、計器類の指示値も記録します。電圧計、電流計、力率計などの指示値を毎月記録することで、経年的な変化の傾向を把握できます。突然の変化があれば、何らかの異常が発生している可能性があるため、詳細な調査を行います。
月次点検の大きなメリットは、お客様の業務に影響を与えないという点です。電気を止める必要がないため、営業中や稼働中でも点検を実施できます。製造業やサービス業など、営業を止められない事業者にとって、これは非常に重要なポイントです。
年次点検とは何が違うのか
年次点検は、原則として年に1回実施する精密点検です。月次点検との最も大きな違いは、停電を伴う精密試験を実施するという点にあります。
なぜ停電が必要なのでしょうか。それは、電気を流したままでは実施できない重要な試験があるからです。代表的なものが絶縁抵抗測定です。これは、電路と大地の間の絶縁状態を測定する試験で、絶縁性能が低下していないかを確認します。この試験は必ず無電圧状態で行わなければなりません。
絶縁抵抗とは、簡単に言えば「電気が漏れにくさ」を示す指標です。電気設備は絶縁材料で覆われていますが、経年劣化や湿気の影響で絶縁性能が低下することがあります。絶縁性能が著しく低下すると、漏電や感電事故につながる危険性があるため、定期的な測定が法令で義務付けられているのです。
また、保護継電器の動作試験も年次点検の重要な項目です。保護継電器とは、過電流や地絡などの異常が発生した際に、自動的に電気を遮断して事故を防ぐ装置です。この装置が正常に動作しなければ、事故時に適切な保護ができません。そのため、実際に試験電流を流して動作することを確認する必要があります。
遮断器の動作試験も欠かせません。遮断器は電気回路を開閉する装置ですが、長期間動作させないと接点が固着してしまうことがあります。年次点検では実際に開閉操作を行い、確実に動作することを確認します。
当社が担当しているあるショッピングモールでの事例をご紹介します。年次点検で遮断器の動作試験を実施したところ、投入操作は正常でしたが、遮断操作に通常より時間がかかることが判明しました。分解点検の結果、内部の操作機構に経年劣化が見られたため、部品交換を実施しました。もしこのまま放置していれば、いざという時に遮断動作が遅れ、大きな事故につながっていた可能性があります。
年次点検では、変圧器の絶縁油の分析も行います。変圧器内部には絶縁と冷却の役割を果たす絶縁油が入っていますが、長年使用すると劣化していきます。油の劣化状態を分析することで、変圧器内部の状態を推測することができます。
接地抵抗の測定も重要な項目です。接地とは、万が一漏電が発生した際に、電気を安全に大地に逃がすための設備です。接地抵抗が高すぎると、漏電時に感電事故につながる危険性があります。そのため、定期的に接地抵抗を測定し、基準値以下であることを確認する必要があります。
年次点検は精密試験を実施するため、通常は施設全体の電気を止める必要があります。そのため、お客様には事前に日程調整をお願いし、業務への影響が最小限になるよう計画的に実施しています。
無停電検査システムとは何か
年次点検では停電が必要だと説明しましたが、近年は技術の進歩により、停電時間を大幅に短縮できる「無停電検査システム」という手法が注目されています。
無停電検査システムとは、特殊な測定機器や技術を活用することで、従来は停電が必要だった試験の一部を、電気を止めずに実施できるようにするものです。完全に停電なしで年次点検を完了できるわけではありませんが、停電時間を最小限に抑えることが可能になります。
具体的な活用方法を説明しましょう。例えば、活線状態での絶縁診断技術があります。これは高周波信号を利用して、電気を流したまま絶縁状態を推測する技術です。完全に停電時の絶縁抵抗測定に代わるものではありませんが、日常的に絶縁状態を監視し、劣化の兆候を早期に発見することができます。
また、部分放電測定という技術もあります。部分放電とは、絶縁材料の微小な欠陥部分で発生する微弱な放電現象です。この現象を検出することで、絶縁劣化の初期段階を発見できます。この測定は活線状態で実施できるため、定期的にモニタリングすることで、絶縁状態の変化を継続的に把握できます。
当社が提案する無停電検査の活用法として、年次点検の準備段階で活線診断を実施するという方法があります。事前に設備の状態を詳細に把握しておくことで、年次点検当日の作業を効率化し、停電時間を短縮できるのです。
ある24時間稼働の食品工場での事例をご紹介します。この工場では、生産ラインを止めることが非常に困難でした。そこで当社は、月次点検時に通常より詳細な活線診断を実施し、設備の状態を継続的にモニタリングしました。そのデータをもとに年次点検の作業計画を最適化することで、停電時間を従来の半分以下に短縮することができました。
無停電検査システムの最大のメリットは、業務継続性を保ちながら安全性も確保できる点です。特に医療機関、データセンター、製造業など、停電が許されない施設にとって、非常に有効な手段となります。
ただし、無停電検査システムにも限界があります。絶縁抵抗測定や保護継電器の動作試験など、法令で定められた試験項目は、やはり停電して実施する必要があります。無停電検査は、あくまで補完的な技術として活用し、必要な停電時間を最小限に抑えるための手段として考えるべきです。
当社では、お客様の事業形態や設備の状況を詳しくヒアリングした上で、最適な点検プランをご提案しています。無停電検査システムを活用できる部分と、どうしても停電が必要な部分を明確に区分け、お客様の業務への影響を最小限に抑える計画を立案します。
HIKARIが提供する総合的な電気保安サービス
当社は、単なる点検業者ではありません。お客様の電気設備を長期的に安全かつ効率的に運用していただくための、総合的なパートナーとして活動しています。
まず、当社の強みは技術者の質の高さです。全員が電気主任技術者などの国家資格を保有しており、豊富な現場経験を持っています。特に当社の技術者は現場経験26年のベテランから若手まで幅広く在籍しており、世代を超えた技術の継承と最新技術の導入を両立しています。
また、当社は東海地方を拠点とした地域密着型のサービスを提供しています。岐阜市に事務所を構え、愛知県、三重県、静岡県などの東海地方全域をカバーしています。地域密着だからこそ実現できる迅速な対応が、多くのお客様から高い評価をいただいています。
緊急時の対応力も当社の強みです。電気設備のトラブルは予告なく発生します。深夜や休日に突然の停電が発生した場合でも、当社は迅速に駆けつけて原因究明と復旧作業を行います。緊急連絡先として24時間365日受付のメールアドレスと、担当者の携帯電話番号をお伝えしていますので、いつでも安心してご連絡いただけます。
さらに、当社は点検だけでなく、省エネルギー提案にも力を入れています。定期点検で収集した電力使用データを分析し、デマンド管理の最適化や高効率機器への更新提案を行っています。電気料金の削減は、多くの企業にとって重要な経営課題です。当社の省エネ診断により、年間数十万円から数百万円のコスト削減を実現した事例も多数あります。
太陽光発電設備の点検にも対応しています。近年、企業の脱炭素化の取り組みとして、太陽光発電設備を導入される施設が増えています。しかし、太陽光発電設備も定期的な点検が必要です。当社では、パネルの状態確認、配線チェック、発電量の測定、パワーコンディショナーの動作確認など、太陽光発電設備の総合的な保守管理も行っています。
特別高圧設備の点検にも対応しています。特別高圧とは7000ボルトを超える高電圧のことで、大規模な工場やビルで使用されます。特別高圧設備の点検には高度な専門知識と経験が必要ですが、当社には特別高圧の実務経験が豊富な技術者が在籍しており、安全かつ確実な点検を実施しています。
また、当社は技術者育成にも力を入れています。「電気保安の学校」というプログラムを運営し、次世代の電気主任技術者の育成に取り組んでいます。この教育事業を通じて、常に最新の技術と知識を社内で共有し、サービスの質の向上につなげているのです。
点検業者の乗り換えをご検討の方へ
現在の点検業者にご不満はありませんか。当社には、他社から乗り換えられるお客様も多くいらっしゃいます。よくあるご相談をご紹介します。
「点検料金が高すぎる」というご相談です。電気保安の料金は業者によって大きく異なります。当社は、無駄なコストを徹底的に削減し、高品質でありながらリーズナブルな料金を実現しています。相見積もりも歓迎していますので、まずはお気軽にご相談ください。
「担当者の対応が悪い」というご相談もあります。点検報告が遅い、質問に答えてくれない、緊急時の連絡がつかないなど、コミュニケーション面での不満をお持ちの方も少なくありません。当社は、お客様との信頼関係を何より大切にしています。分かりやすい報告書の作成、丁寧な説明、迅速なレスポンスを心がけています。
「設備の劣化が進んでいるのに何も提案してくれない」というご相談もあります。点検は実施しているものの、設備改善の提案がないため、いつ交換すべきか判断できないというケースです。当社は、設備の状態を長期的な視点で評価し、最適な更新時期や改修計画をご提案しています。
業者の乗り換えは面倒だと思われるかもしれませんが、実は手続きは意外と簡単です。当社が現在の業者との契約内容を確認し、切り替えに必要な手続きをサポートいたします。多くの場合、お客様にご負担をおかけすることなく、スムーズに移行できます。
実際に乗り換えられたお客様からは、「もっと早く変更すればよかった」「料金が下がって対応も良くなった」といった喜びの声を多数いただいています。まずは無料相談で、現在の課題をお聞かせください。
まとめ
月次点検と年次点検は、それぞれ異なる役割を持つ重要な定期点検です。月次点検は電気を止めずに日常的な監視を行い、年次点検は停電を伴う精密試験で徹底的に安全性を検証します。どちらも欠かすことのできない、車の両輪のような関係にあります。
そして、業務継続性を重視されるお客様には、無停電検査システムの活用という選択肢もあります。技術の進歩により、停電時間を最小限に抑えながら、高品質な点検を実施することが可能になっているのです。
株式会社電気保安HIKARIは、豊富な経験と確かな技術力で、お客様の電気設備を守り続けています。法令遵守はもちろん、お客様の事業特性に合わせた最適な保安管理を、透明性のある料金体系でご提供いたします。
電気設備のことでお困りのことがあれば、どんな小さなことでも構いません。お気軽にご相談ください。当社の経験豊富な技術者が、親身になってお話を伺い、最適な解決策をご提案いたします。
無料相談のお申し込みは、メールまたはお電話で承っております。
メール:contact@d-hikari.co.jp(24時間365日受付) 電話:090-4140-8539 所在地:岐阜市加納本石町3-7 テイクオフビル3階
皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております。

 
                                             
        