新築ビルや工場、商業施設などの電気設備を使い始める前に、必ず行わなければならない検査があります。それが「竣工検査」です。
竣工検査では、電気設備が法令基準を満たしているか、安全に稼働できる状態にあるかを確認します。その中でも特に重要な検査項目が「絶縁抵抗測定」です。
この測定を正確な手順で丁寧に実施することが、将来の電気事故を防ぎ、施設の安全な運営を支える基盤となります。
株式会社電気保安HIKARIは、企業や施設の電気設備を安全かつ効率的に運用するための保守管理に特化した専門企業です。本記事では、竣工検査における絶縁抵抗測定の重要性と、私たちが実践する確実な作業手順について解説します。
絶縁抵抗測定とは?竣工検査での役割を理解する
絶縁抵抗測定は、電気設備における「電気の漏れにくさ」を数値で評価する試験です。
電気は電線などの導体を通って流れますが、導体の周りは必ず絶縁体で覆われています。この絶縁体が正常に機能していないと、電気が意図しない場所に流れ出てしまい、感電事故や火災、機器の故障につながる危険性があります。
絶縁体の劣化が引き起こすリスク
新設された電気設備であっても、施工時の微細な損傷、湿気、異物の付着、機器内部の初期不良などにより、絶縁性能が低下している可能性があります。
実際に、ある商業施設の竣工検査では、ケーブル接続部で絶縁体が噛み込まれていたことが絶縁抵抗測定によって発覚しました。このまま運用を開始していれば、数か月後に地絡事故を起こし、施設全体の停電や火災につながっていた可能性があります。
絶縁抵抗測定の目的は、このような潜在的なリスクを竣工時点で確実に発見し、安全な状態で設備を稼働させることにあります。
法令適合の証明としての重要性
電気設備技術基準では、設備の種類や電圧に応じて、絶縁抵抗値の基準が明確に定められています。
- 低圧電路(600V以下):0.1MΩ以上
- 高圧電路(600V超):使用電圧に応じた基準値
竣工検査において、この基準を満たしていることを確認できなければ、設備は法令適合とは認められず、安全な稼働を開始することはできません。
HIKARIが実施する竣工検査には、絶縁抵抗測定と接地抵抗測定が含まれており、お客様の設備が法的にも技術的にも安全基準をクリアしていることを証明します。これは、お客様の信頼性向上と安心できる施設運営を支援する上での重要な基盤となります。
絶縁抵抗測定の正確な手順|安全確保から測定完了まで
絶縁抵抗測定は、単に測定器を当てれば済む作業ではありません。特に高圧電力を使用するキュービクル設備が対象となる場合、測定対象の選定、安全対策、精密な測定作業が求められます。
HIKARIの専門技術者は、現場経験26年の講師による指導のもとで培われた実務スキルに基づき、以下の手順で測定を正確かつ確実に行います。
安全確保と設備の開放
絶縁抵抗測定では設備に電圧を印加するため、感電や短絡を防ぐための厳重な安全対策が必要です。
まず、測定対象回路の電源を完全に遮断し、操作禁止の表示札を掲げます。特に高圧電力を扱うキュービクル設備では、コンデンサやケーブルに残留電荷が蓄積している可能性があるため、必ず接地線等を用いて完全に放電させます。
また、測定対象ではない電子機器や制御回路が測定電圧によって損傷しないよう、必要に応じて回路から切り離します。HIKARIは、丁寧で確実な作業を通じて、測定対象外の機器への影響を最小限に抑えます。
測定器の選定と校正
測定には、専用の絶縁抵抗計(メガー)を使用します。測定対象の定格電圧に応じて、適切な測定電圧を選定します。
- 低圧回路:500V測定
- 高圧回路:1000V以上の測定
測定前に、絶縁抵抗計自体が正常に動作し、正確な値を示すことを確認します。法令に基づき、測定対象の回路の定格電圧に合わせた適切な試験電圧を選択し、印加します。
測定の実施と記録
測定は、導体と大地間、および導体相互間で行われます。
導体―大地間の測定では、導体に絶縁抵抗計の片側端子を接続し、もう片方の端子を接地線に接続して測定電圧を印加します。複数線がある場合は、導体同士を切り離し、それぞれの線間の絶縁抵抗を測定します。
測定電圧を印加し、値が安定した時点で測定値を読み取り、詳細に記録します。記録には、測定箇所、測定電圧、測定結果、日時、測定者を含め、安全管理審査対応にも活用できるよう整備します。
ある工場の竣工検査では、一部の回路で基準値ギリギリの測定結果が出たため、念のため再測定と配線の点検を実施したところ、端子台での接続不良が発見されました。このように、測定結果を慎重に評価し、必要に応じて追加の確認作業を行うことが重要です。
測定後の措置
測定完了後も、安全確保のための措置を怠りません。
測定によって印加された電圧により、設備に電荷が残っている可能性があるため、再度放電処理を行います。切り離した回路や接続を元通りにし、確実に復電できるよう準備します。
HIKARIは、これらの複雑な手順を一つ一つ慎重に進めることで、竣工後のリスクを防ぎ、安心のスタートを支えます。
絶縁抵抗測定の結果が貢献する安全稼働
絶縁抵抗測定の結果は、電気設備が今後長期にわたり安全に稼働し続けるかどうかの重要な指標となります。
基準値をクリアすることは最低条件であり、HIKARIは測定結果を通じてお客様の経費圧縮と持続可能な経営の実現に貢献します。
電気設備の初期不良の排除
竣工直後の設備でも、ケーブルの被覆に傷が入っている、接続端子で絶縁体が噛み込まれている、機器内部の絶縁物が欠けているなど、様々な初期不良が存在する可能性があります。
絶縁抵抗測定によって基準値以下の結果が出た場合、こうした初期不良の存在が明確になります。HIKARIの経験豊富な技術者は、その測定結果を基に、不良箇所を特定し、設備の安全性を確保するための改修を提案します。
実際に、あるオフィスビルの竣工検査では、照明回路の一部で絶縁抵抗値が低い結果が出ました。詳細調査の結果、配線工事時に金属製の配管で電線の被覆が傷ついていたことが判明し、即座に交換工事を実施しました。この対応により、将来的な漏電事故を未然に防ぐことができました。
接地抵抗測定との連携による二重の安全確保
絶縁抵抗測定と並行して実施されるのが接地抵抗測定です。
- 絶縁抵抗測定:電気の「漏れにくさ」をチェック
- 接地抵抗測定:漏れた電気が大地へ安全に「流れやすさ」をチェック
この二つの測定は車の両輪であり、HIKARIではこれらをセットで実施することで、感電や火災のリスクを二重で管理します。特に、接地抵抗が規定値内にあることは、地絡事故時の人身保護に不可欠であり、省エネ基準適合とともに法令遵守の徹底を支援します。
絶縁耐力試験による長期的な信頼性の証明
竣工検査では、絶縁抵抗測定で基準値を満たした後、さらに高い電圧で耐性を確認する絶縁耐力試験が実施されることもあります。
これは、設備が日常的な使用電圧よりも高い電圧に耐えうるかを確認し、長期的な運用の信頼性を証明するために重要です。HIKARIは、丁寧で確実な作業と高い技術力によって、これらの精密試験を実施し、お客様に万全の安全稼働環境を提供します。
HIKARIの専門性が支える竣工検査の品質
絶縁抵抗測定をはじめとする竣工検査は、専門知識と技術、そして何よりも実施する企業の信頼性が求められます。
電気主任技術者による高品質な対応
HIKARIのサービスは、資格保有者による高品質な対応によって支えられています。
スタッフ全員が電気主任技術者などの資格を保有しているため、お客様の電気設備に対して、常に信頼性と安全性を兼ね備えたプロの診断と作業をお約束します。
サービスプランのご提案に先立つ現地調査・診断の段階から、経験豊富な技術者が法令の遵守状況やリスクが潜在している箇所を慎重に診断いたします。
ある製造工場では、竣工検査時に電気主任技術者が配電盤内の配線経路を確認したところ、将来的なメンテナンス性に課題があることが判明しました。竣工後の定期点検での作業効率を考慮し、配線経路の見直しを提案したことで、長期的な保守管理コストの削減につながりました。
育成プログラムが担保する技術レベル
HIKARIは、単なる電気保安点検業者に留まらず、電気主任技術者の育成にも注力しています。
現場経験26年の講師が指導する「電気保安の学校」運営を通じて、現場で必要な実務スキルを身につけた技術者を育成しており、これが竣工検査における高い技術力と丁寧で確実な作業の基盤となっています。
この専門性があるからこそ、HIKARIは竣工検査後の電気設備の保安管理サービス(月次点検、年次点検)においても、安全性と効率性を継続的に確保することができます。
柔軟なサービスと迅速なトラブル対応
竣工検査で安全が確認された後も、電気設備は継続的な保守管理が必要です。
HIKARIは、お客様の事業規模やご予算に応じた柔軟な料金プランをご提案し、料金体系の透明性を重視しています。また、万が一の緊急トラブルには、東海地方を拠点とする地域密着型の強みを活かし、迅速に対応できる体制を整えております。
もし現在、他社の点検料金が高く感じる場合や、サービスの質にご不満がある場合は、HIKARIがキュービクルの点検業者乗り換えをサポートし、手続きから定期点検まで丸ごとお任せいただくことで、業務負担の軽減とコスト削減を実現できます。
まとめ:絶縁抵抗測定は安心への第一歩
絶縁抵抗測定は、竣工検査における最も重要な試験の一つであり、電気設備が火災や感電のリスクなく、長期にわたり安全稼働するための土台を築きます。
株式会社電気保安HIKARIは、新設・改修後の電気設備に対し、丁寧で確実な作業と高い技術力をもって、絶縁抵抗測定を含む全ての竣工検査を実施し、竣工後のリスクを防ぎ、安心のスタートを支えます。
お客様の施設の安全と、経費圧縮と持続可能な経営の実現を目指して、HIKARIは最適な電気保安サービスを提供いたします。竣工検査や保安管理に関するご相談は、ぜひHIKARIにお任せください。
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